ソラナ、ドージ、ポケカ、マリオ
2019-2025年の爆騰資産

この記事のポイント
- 2019-2025年の暗号資産と実物資産の価値変動を追跡
- ソラナが約3,818倍、ドージコインが約213倍と驚異的な成長
- 実物資産(ポケカ、ロレックスなど)も希少性で価値上昇
- 長期保有と分散投資の重要性を強調
暗号資産市場は、2018年から2020年の「クリプト・ウィンター」と呼ばれる厳しい低迷期から2025年に至る約5年間で、激動の変貌を遂げました。
2017年のバブルとその後の暴落を体験し一時はクリプト難民として市場を彷徨った投資家たちが、再び市場に目を向け始めました。
この記事では、主要な暗号資産(ビットコイン、イーサリアム、ドージコイン、ソラナ、XRP)や実物資産(ポケモンカード、レトロゲーム、スニーカー、高級時計)の価値変動を追跡し、その背景にある出来事を紐解きます。
ビットコイン(BTC):デジタルゴールドの台頭
2019年初頭、約41万円だったビットコインは、2025年には約1,297万円に達し、約31倍もの価値上昇を記録しました。
主な出来事とその影響:
- 2020年3月のコロナショック: 一時的に価格が下落するも、その後デジタルゴールドとしての価値が再評価
- 2021年初頭のブルラン: 機関投資家の参入により500万円を突破
- 2022年-2023年の調整期: FTXの破綻などをきっかけに調整局面に入るも徐々に回復
- 2024年1月のETF承認: 米国でビットコインスポットETFが承認され、大幅上昇
- 2024年末から2025年: 機関投資家の参入で1,000万円を突破。トランプ政権のクリプト支援も後押し。
ビットコインは暗号資産の基軸として、様々な局面で回復力を示し、市場の主役としての地位を確立しました。 また、2025年3月のホワイトハウス暗号資産サミットで「デジタルゴールド」としての地位が公式に認知されました。
イーサリアム(ETH):スマートコントラクトの革命児
2019年に約1.4万円だったイーサリアムは、2025年には約28.5万円となり、約20倍の成長を遂げました。
主な転換点:
- 2020年のDeFiサマー: 分散型金融(DeFi)プラットフォームの台頭でエコシステムが拡大
- 2021年のNFTブーム: デジタルアートや収集品のプラットフォームとして注目を集める
- 2022年9月のマージ: プルーフ・オブ・ステークへの移行が完了し、エネルギー消費を約99.95%削減
- 2023年のシャンハイアップグレード: ステーキングの引き出しが可能に
- 2024年のイーサリアムETF期待: ビットコインに続くETF承認への期待が高まる
イーサリアムは技術革新を続けながら、分散型アプリケーションの基盤として確固たる地位を築きました。
ドージコイン(DOGE):ミームコインの王者
当初は冗談として始まったドージコインは、2019年の約0.3円から大幅に成長し、2024年11月には約0.46ドル(約70円)まで上昇。これは史上最高値である0.64ドル(約97円)に迫る水準で、2019年からの最大上昇率は約213倍を記録しました。現在は調整局面にあるものの、ミームコインの王としての存在感を際立たせています。
価格変動の主な要因:
- 2020年のTikTokチャレンジ: 「1ドージを1ドルに」というキャンペーンで注目を集める
- 2021年のイーロン・マスク効果: テスラCEOのツイートにより一時75円を超える高値を記録
- 2022年-2023年の調整期: 投機熱の冷え込みにより大幅に下落
- 2024年11月の急騰: X(旧Twitter)プラットフォームとの統合期待で再び急騰し、ATHに迫る
- 2025年初頭の調整: 期待値の織り込みと利益確定売りにより下落傾向
ドージコインはミームコインの代表として、ソーシャルメディアの影響力と投機心理がいかに暗号資産市場に影響を与えるかを示す象徴となりました。
ソラナ(SOL):後発チェーンの逆襲
2020年4月頃に主要取引所で約55円で取引が始まったソラナは、2025年には約21万円に達し、約3,818倍という驚異的な成長を遂げました。
急成長の背景:
- 高速処理能力: 毎秒数万トランザクションを処理できる高性能ブロックチェーン
- 低手数料: ガス代の高騰に悩むイーサリアムからのユーザー流入
- 2021年のエコシステム拡大: NFTやDeFiプロジェクトの台頭
- 2022年のFTX破綻の影響: FTXとの関連性から一時大幅下落
- 2023年-2024年の復活: モバイルエコシステムの拡大とDeFi採用により再評価
- 2025年の安定成長: 独自の技術的優位性とエコシステムの成熟で安定した成長
ソラナは厳しい試練を乗り越え、イーサリアムの強力な競合として市場に定着しました。
XRP:法的問題を乗り越えて
2019年に約30円だったXRPは、2025年には約365円となり、約12倍の価値上昇を達成しました。
重要な転機:
- 2020年12月のSEC訴訟: 米証券取引委員会による訴訟で一時価格が暴落
- 2021年の価格回復: アジア市場での需要に支えられ部分的に回復
- 2023年の一部勝訴: 法廷での部分的勝利がXRPの証券認定を回避
- 2024年の国際送金網採用拡大: 企業や金融機関による実用例の増加
- 2025年の規制明確化: グローバルでの規制環境の整備により大幅上昇
XRPは法的障壁を一部克服し、国際送金の実用的なソリューションとしての地位を回復しました。
実物資産:デジタルとは異なる価値変動の実態
ポケモンカード(リザードン1st Edition PSA10)
1999年版リザードン1st Edition PSA10のカードは2019年の時点ですでに高い希少価値を持っていました。市場での流通量が極めて限られていたため、正確な価格の推定は難しいものの、2021年にはパンデミック中に一時約4,400万円(約40万ドル)まで高騰した記録があります。2025年には市場が落ち着き、約320万円(29,000米ドル前後)で取引されています。
価格変動の主な要因:
- 2020年のYouTuber現象:ローガン・ポールなど人気インフルエンサーの高額開封動画が市場を活性化
- 2021年のポケモン25周年:記念イベントによりファンの関心が高まる
- 極めて限られた供給:PSA10の最高グレードかつ1st Editionという希少性
- コレクション市場の成熟:投資対象としての認知の広がり
スーパーマリオ64未開封カートリッジ
レトロゲーム市場、特に未開封品の価値は予想を超える高騰を見せました。2019年には他のスーパーマリオシリーズの未開封カートリッジが約1,100万円(10万ドル以上)で取引された記録があり、2021年7月には状態の良いWata 9.8 A++グレードのスーパーマリオ64が約1億7,200万円(156万ドル)という記録的な高値で落札されました。2025年においても、良好な状態の未開封品は数千ドル以上で取引されています。
レトロゲーム市場の主な変化:
- 2020年のパンデミック効果:在宅時間増加によるレトロゲーム需要の拡大
- 専門グレーディング会社の台頭:Wata Gamesなどによる格付けが市場の透明性を向上
- ゲーム史における重要性:初の3Dマリオゲームとしての文化的価値の認識
限定スニーカー(Nike Air Jordan 1 “Chicago”)
Nike Air Jordan 1 “Chicago”は2019年頃に約8万円(約720米ドル)でリセール市場で取引されていました。2025年には希少なバージョンや状態の良いものが約48万円(約4,350米ドル)で取引されるようになり、特定のコレクションでは大幅な価値上昇を記録しています。
スニーカーマーケットの発展要因:
- 2020年の「The Last Dance」ドキュメンタリー:マイケル・ジョーダンの伝説を再評価し、Air Jordanブランドに注目が集まる
- リセールプラットフォームの拡大:StockXやGOATなどのプラットフォームがスニーカー投資を容易に
- 限定コラボレーションの影響:アーティストやデザイナーとのコラボモデルが希少性を高める
- クラシックデザインへの回帰:2025年のAir Jordan 1 ’85 “Chicago”再販など、伝説的モデルへの需要増加
高級腕時計(ロレックス デイトナ Ref.116500LN)
ロレックス デイトナ(セラミックベゼル)Ref.116500LNの市場価格は2019年に約275万円~308万円(25,000~28,000米ドル)で推移していました。2025年には約286万円~495万円(26,000~45,000米ドル)の範囲で取引されており、正規店での小売価格(約171万円/15,500米ドル)を大きく上回っています。
時計市場の主な影響要因:
- コロナ禍による生産縮小:供給減少が需要と価格に影響
- 富裕層の資産増加:パンデミック後の資産価値上昇により高級品への支出増加
- 正規店での入手困難状況:正規販売店での入手が困難になり、セカンダリーマーケットでプレミア価格が定着
- 実物資産への投資シフト:インフレや経済不安による「避難先資産」としての需要増加
比較分析:暗号資産vs実物資産
2019年から2025年(ソラナは2020年4月から)の期間での各資産の最大成長率を比較すると:
- ソラナ(約3,818倍・2020年4月から):2021年11月に最高値約259ドルを記録し、4,700倍超の上昇を見せた
- ドージコイン(約213倍):2021年5月と2024年11月に急騰し、0.64ドルの史上最高値を記録
- ビットコイン(約31倍):2021年11月に69,000ドル台、2025年3月に一時80,000ドルを突破
- イーサリアム(約20倍):2021年11月に最高値約4,800ドルを記録、2019年から最大34倍に
- XRP(約12倍):2018年の高値3.84ドルには届かないものの、2021年に1.96ドルまで回復し、最大約65倍の上昇
- ポケモンカード・リザードン:2021年にパンデミック中、最大約40万ドル(約4,400万円)で取引され、一部の希少品では数百倍の価値上昇
- スーパーマリオ64:2021年7月に156万ドル(約1億7,200万円)の記録的高値、保存状態により数千倍の価値上昇も
- 限定スニーカー・Air Jordan:特定の希少モデルでは10倍以上の価値上昇
- ロレックス デイトナ:2022年のピーク時には4万ドルを超え、小売価格の約3倍に
暗号資産は実物資産と比較して全般的により高い成長率を示していますが、同時に価格変動も激しいことがわかります。一方、実物資産は比較的安定した上昇を見せる傾向にありますが、特定の希少品は例外的な価格上昇を示す場合もあります。
結論:長期的視点の重要性
この6年間の価格推移から、いくつかの重要な教訓が得られます:
- 長期保有の優位性: 短期的な価格変動に惑わされず、長期的視点で投資することの重要性
- 分散投資の価値: デジタル資産と実物資産を組み合わせたポートフォリオの利点
- 技術革新の影響: ソラナのように革新的技術が市場に与えるインパクト
- 社会的要因の重要性: ドージコインに見られるソーシャルメディアの影響力
- 希少性と品質の価値: 実物資産における状態の良さ(グレード)が価格に大きく影響
2019年のクリプトウィンターから2025年までの価格変動は、市場の複雑さと投資判断の難しさを示しています。各資産の価格は状態、バージョン、グレードによって大きく異なります。これらを考慮した上で、長期的な視点で市場を理解することが、より良い投資判断につながるでしょう。
注意
この記事は教育目的で作成されており、投資アドバイスではありません。投資判断は常に自己責任で行い、専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。