Bitcoin Policy Institute 2025ビットコイン政策会議まとめ

Bitcoin Policy Institute 2025 ビットコイン政策会議まとめ

この記事のポイント

  • ルミス上院議員による「ビットコイン法」の再提出(5年間で100万ビットコインの取得を目指す計画)
  • 上院の約10%(6名の上院議員)がビットコイン法案の共同提案者となり、超党派による支持が広がっている
  • ビットコインマイニングが米国のエネルギー政策と連携し、電力網の安定化に貢献している
  • 国家レベルのビットコイン保管におけるセキュリティ戦略

2025年3月11日に開催されたBitcoin Policy Instituteの会議では、トランプ大統領による戦略的ビットコイン準備金設立の大統領令を受け、アメリカ政府のビットコイン政策に関する歴史的な議論が展開されました。この記事では、会議の主要なスピーカーとその発言内容をまとめます。

デビッド・ズラッツォフスキー(BPI会長)

Bitcoin Policy Instituteの会長として冒頭挨拶を行い、この重要な会議を開催できたことへの喜びを表明しました。業界のリーダーやビジョンを持った先駆者が一堂に会し、ビットコインがアメリカと世界にもたらす恩恵について議論する場を設けることの重要性を強調しました。

ポイント
  • ビットコインが2009年のリリースから16年で世界で9番目に大きな資産クラスに成長したことを強調
  • トランプ大統領の戦略的ビットコイン準備金設立の大統領令が政策の転換点となると説明
発言まとめ

サトシが2009年にビットコインをリリースしてから16年、当初は少数の先駆者だけが注目していたものが、今や世界9位の資産に成長。トランプ大統領の戦略的ビットコイン準備金の設立は、米国がグローバル金融システムにおけるビットコインの戦略的地位を最大化する歴史的な転換点となるだろう。

シンシア・ルミス上院議員(ワイオミング州)

「オリジナルのビットコイン上院議員」として紹介され、満員の会場を前に感激の様子で登壇しました。今回のイベントでは名誉共同主催者として参加でき、この業界の専門家やリーダーたちと共にビットコインの未来について議論できることへの喜びを表明しました。

ポイント
  • ビットコイン法の再提出を発表(5年間で100万ビットコインの取得を目指す)
  • ビットコインを「自由なお金(freedom money)」「21世紀のデジタルゴールド」と位置づけ
  • 完全に分散化された希少資産としてのビットコインの価値を強調
発言まとめ

「ビットコイン法」を再提出し、5年間で100万ビットコインの取得を目指す計画を発表。ビットコインは単なるデジタル資産ではなく「戦略的資産であり、自由なお金」であると強調。完全に分散化された希少資産として、他の暗号資産とは異なり、21世紀のデジタルゴールドとしての独自の価値を持つと説明した。

ジム・ジャスティス上院議員(ウェストバージニア州)

ルミス上院議員から「本物のビジネスマンであり、ビットコインの信念を持った同僚」として温かく紹介されました。素朴な口調ながらも情熱的に、アメリカが金融イノベーションで世界をリードする機会について語り、会場に大きなエネルギーをもたらしました。

ポイント
  • 「今こそ私たちの時代だ」とビットコインの機会に注目
  • ビットコインのイノベーションを技術進化の連続線上に位置づけ(「馬から自動車へ、自動車から飛行機へ」)
  • チームワークと「大きく夢見ること」の重要性を強調
発言まとめ

金融革命はこれまでの技術革新と同様に必要で、「馬から自動車へ、飛行機へ、そして月への着陸」という進化のように、ビットコインは金融の次の革新段階。「今こそ私たちの時代」であり、「大きく夢見なさい」という父の教えを引用しながら、米国が金融世界の中心となる機会を掴むべき時だと力強く訴えた。

マイケル・セイラー(MicroStrategy CEO)

ルミス上院議員から「真のオリジナルのビジョナリー」として紹介され、ビットコインの価値と可能性を早くから見抜き、明確に説明してきた人物として敬意を表されました。プレゼンテーションでは豊富なデータと分析に基づく説得力ある将来予測を展開しました。

ポイント
  • 戦略的ビットコイン準備金を「21世紀のアメリカのデジタル覇権のための戦略」と位置づけ
  • ビットコインを「デジタル資本」「デジタル不動産」「デジタルエネルギーネットワーク」「デジタル防衛システム」として提示
  • 20年後にビットコインが1枚1300万ドルに達する可能性を予測
  • ビットコインを「アメリカの明白な運命(Manifest Destiny)」と表現
発言まとめ

ビットコインを多面的に「デジタル資本」「デジタル不動産」「デジタルエネルギーネットワーク」「デジタル防衛システム」と分析。800エクサハッシュの計算能力に支えられ、20年後には1ビットコイン1300万ドル、ネットワーク全体で280兆ドルに達すると予測。戦略的準備金として20万ビットコインなら3兆ドル、100万なら16兆ドル、「スーパーパワー戦略」では73兆ドルの価値をもたらすと試算。「ビットコインはアメリカの明白な運命」と締めくくった。

ヴィヴェック・ラマスワミー(起業家・政治評論家)

「アメリカの起業家、政治評論家、そして多くの人が同意するように次期オハイオ州知事」として紹介されました。ワシントンの標準的な話題を超えた重要なテーマに関心を持つ聴衆に感謝を表明し、トランプ大統領のビットコインへの真剣な関心を高く評価しました。

ポイント
  • ビットコインが「資本の規律」をもたらすという新たな視点を提示
  • 過去15年間の「簡単なお金」の時代が終わり、資本の希少性が戻っていると指摘
  • ビットコインが高リスクプロジェクトの投資収益率の基準になると予測
  • 民間企業が先にビットコインを採用し、政府がそれに追随するという展開を予想
発言まとめ

過去15年間の中央銀行による低金利政策の時代が終わり、資本の希少性が戻る中、ビットコインは高リスク投資の収益率基準となるだろう。その理由は「数学的に定義された固定供給」という特性で、これは宇宙探査時代に供給が変動する可能性のある金にはない優位性。「企業が先にビットコイン準備金を採用し、その後に政府が追随する」という自然な進化が予想される。

パオロ・アルデーノ(Tether CEO)とジャック・マレール(Strike CEO)

「ステーブルコインの王者」と「Strike CEOのジャック・マレール」として紹介された二人が、フレンドリーでインサイトに満ちた対談を展開しました。マレールはアルデーノの事業規模と影響力に驚きを示しながら、Tetherの顧客層や成長について質問を投げかけました。

ポイント
  • Tetherが400万人以上のユーザーを持ち、四半期ごとに3000万人ペースで成長していることを報告
  • 主要顧客はアフリカ、中南米、トルコ、アジアなどの銀行口座を持たない人々
  • Tetherが約150億ドルの米国債を保有し、米国債保有額で18番目の「国」に相当
  • ステーブルコインがドルの世界的な普及に貢献し、ビットコインと共に米国の金融システムを支える重要性を強調
発言まとめ

Tetherは四半期ごとに3000万人という急成長を続け、主に高インフレ国の銀行未利用者にサービスを提供。トルコでは昨年50%のインフレ、アルゼンチンではペソが5年で98%下落する中、ステーブルコインへの需要が高まっている。150億ドルの米国債を保有し「国」としては18位に相当するが、400万人の分散したユーザーは中国のような一括売却リスクがないため、米国債市場の安定にも貢献している。

マシュー・パインズ(BPI エグゼクティブディレクター)

BPIの新エグゼクティブディレクターとして紹介され、物理学と哲学を学び、その後15年間にわたり米国政府のコンサルタントとして核戦争やパンデミックなど最悪のシナリオに対する政府の備えを支援してきた経歴が紹介されました。

ポイント
  • 世界秩序の急速な変化(G7、OPEC、中国の関係性の変化)を分析
  • 米国の国債市場の脆弱性と国家安全保障上のリスクを指摘
  • ビットコインを「デジタルゴールド」として位置づけ、その8つの特性を説明
  • 「ビットコインレースが始まった」と宣言し、米国の優位性維持の重要性を強調
発言まとめ

G7、OPEC、中国による世界秩序がコロナ危機とウクライナ戦争で急変し、米国債市場は脆弱化、利払いが防衛予算を上回る国家安全保障リスクとなっている。中央銀行が金を蓄積し始める中、ビットコインは希少性、流動性、分散化など8つの特性を持つ「デジタルゴールド」として認識され始めた。「ビットコインレースは始まった。優位性維持のボールは我々のコートにある」と強調した。

ニック・ベギッチ下院議員(アラスカ州)

重要な発表を行うアラスカ州選出の下院議員として紹介され、フォロワーとして長年親しんでいたことへの敬意を表しながら、会場で登壇できることに喜びを表明しました。前向きで革新的なビットコインコミュニティの中での歴史的発表に感謝の意を示しました。

ポイント
  • 「2025年ビットコイン法」の下院提出を発表(6名の共同提案者)
  • 財政的責任を重視し、納税者の資金を使わない準備金取得の仕組みを提案
  • 準備金の透明性、説明責任、20年間の保有期間の重要性を強調
  • 「アメリカは大胆なビジョンと大胆な人々によって築かれた」と国の精神との一致を主張
発言まとめ

「2025年ビットコイン法」を6名の共同提案者と共に下院に提出。米国の現在の金準備(8,133メートルトン、7,500億ドル相当)に次ぐ準備資産として、5年間で総供給量の約5%にあたる100万ビットコインを連邦準備制度からの送金など納税者負担なしで取得する計画を提案。個人や企業のビットコイン所有権を保護し、「自己管理は金融主権の基本的権利」と強調。「アメリカは大胆なビジョンと大胆な人々によって築かれ、今こそ再び大胆になるとき」と締めくくった。

ザック・シャピロ(BPI 政策責任者)

BPIの政策責任者として紹介され、州レベルのビットコイン準備金の取り組みについて報告するため登壇しました。全米の州議会でのビットコイン関連法案の動向を詳細に分析し、州レベルの立法と連邦の取り組みを連携させる必要性について説得力のある説明を行いました。

ポイント
  • 州レベルでのビットコイン投資に対する前例のない関心を報告(24州で32の法案)
  • 多くの州の提案が内容的に不十分である問題を指摘
  • BPIが州レベルのビットコイン準備金のためのモデル法案を開発中と発表
  • 早期に採用する州は不均衡な利益を得る可能性があると強調
発言まとめ

過去1年間で24州にわたり32のビットコイン法案が提出され、28が委員会公聴会を通過、7つが本会議に進んだが、内容面では32のうち特にビットコイン準備金に言及したのは9つのみと不十分。ユタ州の法案は最終段階で保護条項が削除されるなど弱体化も課題。BPIは6月のサミットでモデル法案を発表予定で、「歴史的な機会の窓は無期限ではなく、早期採用州は不均衡な利益を得るだろう」と州政府に早期行動を呼びかけた。

ロー・カナ下院議員(民主党)

民主党のビットコイン支持者として、シリコンバレーを代表する下院議員として紹介されました。超党派的なビットコイン政策の必要性を強調し、技術革新の最前線に立つアメリカの伝統とビットコインとの関連性について明快な視点を提供しました。

ポイント
  • 「ビットコインは超党派であるべきだ」と強調
  • ビットコインを「単なるテクノロジー」として理解することの重要性を主張
  • 民主党の伝統(世界中の人々への経済的エンパワーメント)とビットコインの一致を指摘
  • ルミス上院議員らとの協力を通じて合理的な政策に取り組む約束
発言まとめ

「ビットコインは超党派であるべき」として政権交代で政策が覆される不安定さを回避すべきと主張。「多くのヒステリーの中で理解すべきは、ビットコインは単なるテクノロジー」だと強調。特に民主党に向けて「ケネディの伝統である世界中の人々への経済的エンパワーメント」とビットコインの理念は一致すると指摘。子供時代のインド訪問での厳しい為替管理の経験を共有し、外国為替規制のある国々でビットコインが果たす「変革的」役割を説明した。

クリスチャン・カタリーニ博士(MIT)

MITの教授として紹介され、10年以上前のMITビットコイン実験から現在に至るまでの経験に基づいて、ビットコインとドルの補完的関係について学術的かつ実践的な視点を提供しました。グーグルトレンドのデータを用いて、過去10年間のビットコインへの関心の持続的成長を示しました。

ポイント
  • サトシ・ナカモトの「二重支払い問題」解決がもたらした二つの経済的コスト削減を説明
  • ビットコインを「市場設計におけるブレークスルー」と位置づけ
  • 敵対者によるドルの役割弱体化の試みへの警鐘
  • ドルとビットコインの補完的関係を強調し、両方を中心にした戦略を提案
発言まとめ

MITビットコイン実験時の350ドルから現在9万ドルへの成長を示しながら、サトシが解決した「二重支払い問題」が「検証コスト」と「ネットワーキングコスト」という二つの経済的コストを削減したと説明。「ビットコインはインターネットと同様に、単一仲介者なしに経済システムを構築するブレークスルー」と位置づけ、「バーゼルの官僚たちのFinNetのような中央集権的な試みではなく、オープンなビットコイン・ネットワークこそ金融の未来」と主張。「ドルとビットコインは補完的関係」であり、両者を中心とした戦略が米国の長期的リーダーシップを確保すると締めくくった。

ビットコイン・AI・エネルギー支配パネル

BPI上級研究員のトロイ・クロス氏によるモデレートで、米国ビットコインマイニング業界の巨人たちが集結したパネルとして紹介されました。Riot Blockchainのジェイソン・レス氏、Marathonのフレッド・ティール氏、CleanSparkのザック・ブラッドフォード氏が、ビットコインマイニングと米国エネルギー政策の関係について専門的見解を共有しました。

ポイント
  • ビットコインマイニングが「究極のディスパッチャブル負荷」として電力網の安定に貢献
  • マイニングが「電力の島」(送電網のない発電地域)を活用する価値を強調
  • 米国電力網には現在約70ギガワット以上の追加容量があり、AI産業のニーズを満たせる可能性
  • マイニングが古くなった電力インフラを活性化し、忘れられたコミュニティに新たな経済機会をもたらす事例
発言まとめ

マイニングは「数分で電力負荷を調整できる究極のディスパッチャブル負荷」として電力網に貢献し、送電線のない「電力の島」を効率的に活用。デューク大学研究では「米国電力網には70ギガワット以上の追加容量があり、AI産業の48ギガワット需要を満たせるが、負荷の5%分散が鍵」と指摘。CleanSparkは「フリーウェイ建設で忘れられた町々」31箇所でデータセンターを運営し、老朽化した電力インフラを活性化して地域経済に貢献している実例を共有した。

アメリカのビットコインを守るパネル

Casa CEOのニック・ニューマン氏、Anchorage Digitalのネイサン・マコール氏、BitGoのマイク・ベルシェ氏によるパネルディスカッションとして紹介されました。国家レベルのビットコイン保管の安全性確保について、業界トップ企業のリーダーたちが最新のセキュリティ手法と戦略について意見を交換しました。

ポイント
  • 国家レベルの準備金には複数の鍵、物理的・デジタル的セキュリティ、多重署名スキームが必要
  • セキュリティにおける「1億ドル以上を単一ウォレットに入れない」などの基本原則
  • 政府による自己カストディと専門企業の活用のバランスの検討
  • 戦略的ビットコイン準備金と暗号資産ストックパイルの管理アプローチの違い
発言まとめ

国家レベルのビットコイン保管では「鍵生成からセキュリティは始まり、複数鍵の分離とアクセス経路の厳格な管理が必要」。最近の15億ドル流出事件から「1億ドル以上を単一ウォレットに置かない」基本原則の重要性が明らかに。政府自身の鍵管理は「望ましいが数十人の専門家チームが必要」との見解から、段階的アプローチを推奨。「戦略的準備金は金同様に政府直轄で管理し、一般的暗号資産ストックパイルは別方式も検討可能」という区別も提案された。

デビッド・イーヴァント(FalconX)

FalconXの研究責任者として紹介され、ビットコイン市場の流動性と大規模取引の課題について専門的な視点を提供しました。世界最大の機関投資家向け暗号資産プライムブローカーの一つとしての経験から、戦略的準備金構築に必要な取引戦略についての洞察を共有しました。

ポイント
  • 100万ビットコインの購入における市場影響の課題を説明
  • ビットコイン市場構造の進化(OTCデスク、デリバティブ市場の発達)を報告
  • アメリカ企業が大規模な流動性調達に長けている強みを強調
  • 取引執行をプロセスの早い段階で考慮する重要性を提言
発言まとめ

「100万ビットコインを1枚8万ドルで購入することは不可能」と現実を指摘。ビットコインは1日20〜25億ドルの流動性があるが、「スポット市場では1%の価格変動に約1000ビットコイン(8000万ドル)の取引が必要」という制約がある。良いニュースとして「OTCデスク、先物市場(スポットの3〜5倍規模)、オプション市場など多様な流動性源が発達」し、「米国企業は流動性の80%が海外にもかかわらず、大規模調達に卓越」している点を強調。「取引執行は計画初期から検討することで戦略的優位性を得られる」と助言した。

アンドリュー・ホーンズ(ニューマーケットキャピタル)

ニューマーケットキャピタルの創設者として紹介され、構造化信用の専門家として約500億ドル規模のリスク移転を手掛けた経験と、ビットコインとの関わりが紹介されました。最近フィラデルフィアで商業不動産ローンとビットコインを組み合わせた初の取引を完了したことも触れられました。

ポイント
  • 「Bitボンド」構想の提案(2兆ドルの債券発行、10%をビットコイン購入に充当)
  • 低金利(1%)、ビットコイン上昇分の分配(50/50)、免税措置などの特徴
  • 10年間で7000億ドルの利払い節約、3540億ドルの納税者負担軽減の試算
  • 20年後に政府のビットコイン保有価値が国家債務を相殺できる可能性を示唆
発言まとめ

9.3兆ドルの連邦債務借換問題に対する解決策として「Bitボンド」を提案。2兆ドル債券の10%(2000億ドル)をビットコイン購入に充て、通常の4.5%ではなく1%の低金利で10年債を発行。これにより10年間で7000億ドルの利払い節約が可能で、ビットコイン上昇分を政府と投資家で50/50分配。米国家庭にも税免除で購入機会を提供。ビットコインの過去成長率(25パーセンタイル)を適用すると、20年後に政府保有分は国家債務全体を相殺できる規模に達すると試算した。

ピエール・ロシャール(サトシ・ナカモト研究所)

サトシ・ナカモト研究所の共同創設者として紹介され、フランスからの移民(あるいは「難民」と冗談を交えて)で米国市民となった経歴が紹介されました。10年近くビットコインを研究してきた経験から、ビットコインの独自の特性について解説し、金との比較を通じてデジタル資産の優位性を説明しました。

ポイント
  • 金とビットコインの比較、実用性の観点からの金の課題を指摘
  • フォートノックスの金の生産的活用(米国建国250周年記念ジュエリーライン)の提案
  • 金の監査の難しさに対するビットコインの監査容易性の利点
  • ビットコインの保管コストの低さとセキュリティの分散化の可能性を強調
発言まとめ

金は価格上昇が製造業に打撃を与え、宝飾品は希釈され、歯科治療でも高価すぎて使えない状況。フォートノックスの金は「埃を被っている」状態から「米国建国250周年記念ジュエリー」として販売し、利益をビットコインに充てるべきと提案。金は監査が「非常に費用と時間のかかる化学的プロセス」で全体供給量も不明だが、ビットコインは「家庭用コンピュータで誰でも監査可能」。保管面でも「金庫は30分の耐性だがハードウェアウォレットは無限の耐性」があり、マルチシグで分散化も可能と利点を強調した。

ジャック・マレール(Strike CEO、閉会講演)

Strike創設者・CEOとして紹介され、閉会の基調講演者としてビットコインが米国の経済政策と建国理念に与える影響について熱弁を振るいました。国家の首都でビットコインについて語る機会に感謝し、戦略的ビットコイン準備金の歴史的な意義について独自の視点を提供しました。

ポイント
  • 戦略的ビットコイン準備金を「過去100年間で最も重要な経済的転換点」と評価
  • 過去の経済政策(1933年金没収、1971年ドル・金リンク切断、2008年銀行救済)の問題点
  • ビットコインが米国の建国原理(財産権、健全なお金、自由市場)に立ち返る手段だと主張
  • この政策がプロエネルギー、プロ成長、プロ自由、プロ産業、プロ包摂、プロイノベーションであると強調
発言まとめ

戦略的ビットコイン準備金は「過去100年間の米国経済政策で唯一の前向きな発表」と位置づけ、米国の経済政策は「1933年の財産権侵害、1971年の健全貨幣放棄、2008年の平等原則違反」と創設理念から逸脱してきたと分析。これに対しビットコインは「自己管理可能な財産権回復、政府もコントロールできない健全貨幣、真にグローバルな自由市場」を実現すると主張。「100年ぶりに国民の最善の利益に沿った経済政策」であり、「プロエネルギー、プロ成長、プロ自由、プロイノベーション」な政策として米国の建国原理への回帰を意味すると強調した。

シンシア・ルミス上院議員(最終発表)

会議の最終段階で再び登場し、この歴史的な日に重要な発表を行うために壇上に呼ばれました。セイラー氏のプレゼンテーションを「これまで聞いた中で最高の講演の一つ」と称賛し、ビットコインの未来に対する会場の熱意を共有しながら重要な政策アップデートを提供しました。

ポイント
  • ビットコイン法の上院での再提出を正式発表
  • 6名の上院議員(約10%)が原案共同提案者として参加したことを報告
  • 「勢いは我々の手中にあり、トランプ大統領が支持している」と強調
発言まとめ

「ビットコイン戦略的準備金法を上院で本日再提出します」と発表し、チューバービル、ブラックバーン、マーシャル、サリバン、マリノ、ジャスティスという6名の上院議員(上院の約10%)が原案共同提案者として参加していることを報告。「勢いは私たちの手中にあり、これを実現する必要があります。トランプ大統領は私たちと共にあり、機会は無限大です」と力強く締めくくった。

BPI代表(閉会)

BPIの代表として閉会の挨拶を行い、わずか1年前には「戦略的ビットコイン準備金」はアイデアに過ぎなかったが、現在では上院の約10%がこの法案を共同提案するまでになったことを強調しました。数千人が参加を希望した中で選ばれた参加者に感謝を表しつつ、今後の活動計画を発表しました。

ポイント
  • 議会フェローシッププログラムの立ち上げを発表
  • すべての議会オフィスにビットコイン専門家を配置する目標
  • 6月のワシントンDCでのビットコイン政策サミット開催を告知
発言まとめ

より多くのビットコイナーがワシントンDCで議論を継続する必要性を強調し、「議会フェローシッププログラム」の立ち上げを発表。「これは私たちの最も大胆なイニシアチブで、ワシントンDCのすべての議会オフィスにビットコイン専門家を配置し、議員がスマートな政策立案に必要な知識にアクセスできるようにします」と説明。6月にワシントンDCでビットコイン政策サミットを開催することも発表し、会議を締めくくった。

この会議は、ビットコインが単なる投機的資産から米国の戦略的資産へと位置づけが変化する歴史的な転換点となりました。超党派的な支持のもと、ビットコインが米国の経済的自由と金融主権を強化する手段として政策に組み込まれつつある状況が明らかになりました。この動きが今後どのように展開していくか、引き続き注目していきたいと思います。